春の訪れを告げる桜の花が散ると、街のあちこちでツツジが咲き始めます。これは地方自治体による植樹活動の成果かもしれません。
花の時期になりますとツツジが先でサツキが後に咲きますね。
春から初夏にかけての人気者であるツツジとサツキは非常に似ており、見分けが難しいと感じる人も少なくないでしょう。
私は庭先で趣味でサツキを育てているため、サツキは私にとって身近な花です。今回はツツジとサツキの違いを詳しく調べてみました。
ツツジとサツキは、葉一枚を見ても違いが分かります。
ささいな知識かもしれませんが、似ているツツジとサツキの識別ポイントを一緒に見ていきましょう。
ツツジとサツキ、実はほぼ同じ?
ツツジとサツキは非常に似ていますが、両者はツツジ科・ツツジ属に属し、ほぼ同じ植物です。
サツキは「サツキツツジ」とも呼ばれ、ツツジの一種とされています。
ツツジは葉も花も大きく、開花期も早いのに対し、サツキはツツジが終わる頃に咲き始め、花も葉も小さめです。
さて、ツツジとサツキの特徴を比較しながら、識別のポイントを探っていきましょう。
ツツジとサツキの識別ポイント
前述の通り、サツキは5月(皐月)頃に開花するため、「サツキツツジ」という別名がついています。
ツツジはよく街路樹や庭木として見ることができますし、山でも見ることができます。
サツキは主に盆栽などで愛される点も大きな違いでしょうか。
ツツジとサツキの識別法:葉の特徴から見分ける方法
この記事では、「ツツジとサツキを葉と花の特徴で識別する方法」について解説します。
花が咲いていない時期でも、葉の形状だけでツツジとサツキを区別することが可能です。
市街地でよく見かけるツツジの中には「オオムラサキツツジ」という種類があります。今回はこのオオムラサキツツジとサツキの葉を比較して見分け方を詳しく説明します。
ツツジとサツキの葉の硬さと形状の違い
- ツツジの葉は柔らかく触り心地が良いのに対し、サツキの葉は硬く感じます。
- ツツジの葉は細長い楕円形から卵形、サツキは尖った葉先が特徴的です。
葉の粘毛の有無による識別法
ツツジは公園や遊歩道に多く植えられており、子供たちが遊んだ後に服に葉が付着することがあります。ツツジの葉は表面に光沢がなく、粘毛が生えているため、衣服に付着しやすいのです。
一方、サツキの葉は表面に光沢があり、粘毛がないため、服につきにくいです。
公園で遊んだ後の子どもの服に付着した葉は、ツツジの可能性が高いと思います。
ツツジとサツキの花のサイズ比較
サツキの花の大きさは約4㎝(3.5cm~5cm)で、ツツジの花は約6㎝(5cm~7cm)と一回り大きいです。
ツツジとサツキの花のおしべの数の違い
ツツジの花には通常5本以上のおしべがありますが、サツキはおしべがちょうど5本です。
さらに、ツツジはほぼ同時に一斉に花が咲くのに対し、サツキの花は徐々に咲いていく特性があります。
ツツジとサツキでどっちが先に咲くのか!
非常に似ているツツジとサツキですが、開花時期にははっきりとした違いがあります。
ツツジは一般的にサツキよりも早く花を咲かせ、サツキの花はツツジが終わる頃に開花します。
- ツツジの開花時期: オオムラサキツツジなどは4月中旬から5月中旬にかけて
- サツキの開花時期: 5月中旬から7月にかけてが一般的です
ツツジとサツキの花色の違い
街路樹でよく見られるオオムラサキツツジをはじめとするツツジは赤紫色が特徴的で、種類によっては白、ピンク、紫、場合によっては黄色など様々な色があります。
対して、サツキは主に紅赤色をしており、花びらの縁に地色とは違った色模様など、色のバリエーションが楽しめます。
ツツジとサツキの新芽が出る時期は同じ!
ツツジとサツキの違いを探る一方で、両者には共通点も見られます。それは新芽が出る時期が同じ5月頃であることです。
- ツツジは花が咲いた後に新芽が出る
- サツキは新芽が出てから花が咲く
このような違いがあるにも関わらず、新芽の生える時期が一致するのは興味深い点だと思っています。
まとめ
「つつじ」と「さつき」はともにツツジ科ツツジ属に分類される花木で、春に美しい花を咲かせることで知られていますが、いくつかの点で明確な違いがあります。
まず、花の咲く時期に違いがあります。「つつじ」は主に4月から5月にかけて花を咲かせるのに対し、「さつき」は名前の通り5月から6月にかけて花を楽しむことができます。
次に、花の特徴です。「つつじ」の花は比較的大きく、しばしば花弁が5枚で単色または複数色が混在することもあります。一方、「さつき」の花は小ぶりで、花弁が重なり合って八重咲きになることが多く、色もピンク、白、赤など多様です。
また、樹形にも違いが見られます。「つつじ」は自然と広がる形をしており、野山に自生する種も多いです。それに対して、「さつき」は比較的低くて丸みを帯びた形が多く、盆栽としても人気があります。