男爵いもはホクホク、メークインはしっとり。 この一言が、じゃがいもの代表的な2品種「男爵いも」と「メークイン」の違いを最も端的に表しています。
どちらもスーパーでよく見かける「ばれいしょ」ですが、実は見た目や食感、調理法までまったく異なる個性を持っています。
この記事では、男爵いもとメークインの基本的な特徴から、料理ごとの使い分け、見分け方、保存のコツまでを徹底的に解説します。
料理の仕上がりを左右する「食感の違い」を理解しておくことで、ポテトサラダもカレーも、ぐんと美味しく仕上がりますよ。
男爵いもとメークインの違いをわかりやすく解説
男爵いもとメークインの違いをわかりやすく解説します。
それでは順に見ていきましょう。
①でんぷん質と水分量の違い
男爵いもとメークインの一番大きな違いは、でんぷん質と水分量のバランスにあります。
男爵いもは「粉質(こなしつ)」と呼ばれ、でんぷんを多く含んでいるため加熱すると内部がふっくらホクホクと崩れやすくなります。
一方、メークインは「粘質(ねんしつ)」で、水分が多く、加熱してもしっとりとなめらかに仕上がります。
この違いが、料理での使い分けにつながるんですね。
つまり、「ホクホク感を出したい料理なら男爵」「形を保ちたい料理ならメークイン」が鉄則です。
②食感と調理適性の違い
男爵いもは崩れやすい特性を活かして、つぶす系の料理に向いています。
例えばポテトサラダやコロッケ、マッシュポテトなど、ホクホク感を楽しむ料理が得意分野です。
一方、メークインは煮崩れしにくく、カレーやシチュー、肉じゃがなど「形を残す煮込み料理」に最適です。
食感で言えば、男爵いもは「ふんわり軽く」、メークインは「なめらかで密度のある」印象です。
同じじゃがいもでも、用途を間違えると仕上がりが大きく変わるので要注意です。
③形や皮の特徴による見分け方
見た目で区別するコツもあります。
男爵いもは全体的に丸く、表面がゴツゴツしていて芽が深いのが特徴です。
一方、メークインは細長い楕円形で、皮がなめらか。芽も浅く、皮むきがしやすいのが特徴です。
調理前に「どっちかわからない!」というときは、形を見ればすぐに見分けられます。
④それぞれの長所と短所
| 項目 | 男爵いも | メークイン |
|---|---|---|
| 分類 | 粉質(ホクホク) | 粘質(しっとり) |
| 崩れやすさ | 崩れやすい | 崩れにくい |
| 調理適性 | つぶす料理向き | 煮込み料理向き |
| 形 | 丸い | 細長い |
| 皮 | ゴツゴツして芽が深い | つるっとして芽が浅い |
男爵いもは香り高く、口の中でホロッとほどけるような食感が魅力。
一方メークインはなめらかで上品、冷めてもおいしい特性があります。
男爵いもに向いている料理5選
男爵いもに向いている料理を紹介します。
①ポテトサラダ
男爵いものホクホク感はポテトサラダにぴったりです。熱いうちに塩と酢を加えると、味がしっかりなじみます。少し潰しすぎず、ゴロッと感を残すと家庭的な風味に仕上がります。
②コロッケ
男爵いもは加熱すると自然にほぐれるので、コロッケのタネづくりが簡単。衣をつけて揚げると中はホクホク、外はサクサクの理想の食感になります。
③マッシュポテト
マッシュポテトも男爵の定番。牛乳やバターとの相性が抜群で、ふんわりと軽い舌ざわりになります。グラタンやミートパイのベースにも使えます。
④粉ふきいも
粉ふきいもでは、男爵の粉質が活きます。水分を飛ばして鍋を振ると、表面に白い粉がふくような仕上がりに。シンプルながら素材の味が光ります。
⑤ホクホク系グラタン
グラタンやポテトドフィノワなど、ホクホク感を残したいオーブン料理にも向いています。表面はカリッと、中はふんわり仕上がります。
メークインに向いている料理5選
メークインに向いている料理を紹介します。
①カレー
煮崩れしにくいメークインは、カレーの具材として最適です。煮込み時間が長くても形をキープし、見た目にも美しい仕上がりになります。
②シチュー
とろりとしたシチューでもメークインは優秀です。しっとりと柔らかく、スプーンで切れるほどのなめらかさが魅力です。
③肉じゃが
肉じゃがのように具材を煮込む料理では、形が崩れにくいメークインが大活躍。味がしみやすく、冷めてもおいしさが続きます。
④炒め物
軽く炒めても形が保たれるので、バターソテーやポテトベーコン炒めなどにも最適。加熱時間を調整すれば食感を自在にコントロールできます。
⑤お弁当おかず
お弁当に入れるポテトのおかずにもおすすめ。冷めても形が崩れず、しっとりした食感が続きます。
男爵いもとメークインの選び方と保存方法
男爵いもとメークインの選び方と保存方法について説明します。
①購入時に見るべきポイント
手に持ったときに重みがあり、皮にハリがあるものが新鮮です。全体が均一な色で、表面にシワがないものを選びましょう。
②避けたいじゃがいもの特徴
皮が緑色に変色しているものや芽が伸びているものは避けてください。これらはソラニンという有毒成分を含むことがあります。
③正しい保存場所と温度管理
直射日光を避け、風通しのよい暗所に置きます。袋のまま密閉すると蒸れて傷みやすくなるため、通気性を確保しましょう。
④発芽を防ぐ保存のコツ
りんごを一緒に保存すると、発生するエチレンガスが発芽を抑えます。ただし長期保存には向かないため、できるだけ早く使い切りましょう。
調理前の下ごしらえと安全な扱い方
調理前の下ごしらえと安全な扱い方について説明します。
①揚げ物をカリッと仕上げるコツ
切ったじゃがいもを水にさらし、表面のでんぷんを洗い流すのがポイントです。その後はしっかり水気を拭き取りましょう。
②皮の扱いと芽の除去
芽や緑色の部分には有害成分があるため、包丁で深めに取り除きます。新じゃがは皮が薄いので、よく洗えば皮ごと食べても問題ありません。
③冷蔵庫保存後の注意点
低温保存すると糖化が進み、揚げたときに焦げやすくなります。使う前に常温に戻しておくのがおすすめです。
④新じゃがの使い方
新じゃがは水分が多くみずみずしいため、皮ごと蒸したり、軽く焼いたりして楽しむと風味が生きます。
まとめ|ばれいしょ男爵とメークインを使い分けて料理をもっとおいしく
| 特徴比較 | 男爵いも | メークイン |
|---|---|---|
| 分類 | 粉質・ホクホク | 粘質・しっとり |
| 適した料理 | ポテトサラダ、コロッケ | カレー、肉じゃが |
| 見た目 | 丸くてゴツゴツ | 細長くてなめらか |
男爵いもとメークインの違いを知ることで、料理の完成度がぐっと上がります。
ホクホク感を出したいなら男爵、形を保ちたいならメークイン。
どちらも同じ「ばれいしょ」でも、得意な分野が違うからこそ、使い分けることで毎日のごはんがよりおいしく仕上がります。
ぜひ今日から、料理に合わせたじゃがいも選びを意識してみてください。
