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「タロイモと里芋の違いとは?見た目・味・用途を徹底比較!」

野菜
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タロイモと里芋は、実は“同じサトイモ科の仲間”なんです。

でも、日本では「里芋=和食の煮物に使う芋」、「タロイモ=台湾スイーツに使う芋」というイメージが強く、見た目も味わいもけっこう違います。

この記事では、タロイモと里芋の違いをわかりやすく整理しながら、それぞれの特徴・歴史・食べ方までを丁寧に解説します。

読み終わるころには、「タロイモって何?」という疑問がすっきり解決しますよ。

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タロイモと里芋の違いをわかりやすく解説

タロイモと里芋の違いをわかりやすく解説します。

それでは順に解説していきますね。

①分類上は同じサトイモ科の植物

まず大前提として、タロイモも里芋も「サトイモ科」に属する植物です。つまり、生物学的には同じグループに分類されます。

タロイモは学術的に見れば、里芋やエビイモ、タイモなどを含む「サトイモ科コロカシア属」の総称です。

ただし、日本ではこの「タロイモ」という言葉が、主に海外産のサトイモ科植物を指す言葉として使われています。

特に台湾スイーツやハワイ料理などに使われる芋を「タロイモ」と呼ぶことが多いんです。

つまり、植物分類としては同じでも、一般的なイメージや用途の違いから別物として扱われているというわけですね。

②一般的な呼び分けの違い

「タロイモ」という言葉は、英語の “Taro” に由来します。もともとポリネシア語で「イモ」を意味する言葉で、世界的にはサトイモを指す名称として使われています。

一方、日本語の「里芋」は、日本で古くから食べられてきた在来の品種を指しています。つまり、「タロイモ=海外のサトイモ」「里芋=日本のサトイモ」といった使い分けが一般的です。

このため、「タロイモと里芋は違う食べ物」と思われがちですが、実際は兄弟のような関係にあるんです。

③サイズ・見た目の差

見た目にも明確な違いがあります。両方とも茶色くてゴツゴツした外皮に覆われていますが、サイズ感がかなり違います。

項目里芋タロイモ
大きさ拳より小さい手のひら以上の大きさ
中身は白色やや紫がかった白色
丸みのある楕円形やや縦長・ごつごつした形

特に台湾やハワイ産のタロイモはとても大きく、1個で数人分の料理が作れるほどです。

日本の里芋が「家庭の味」に使われるのに対し、タロイモは「食材」としての存在感が大きいのが特徴ですね。

④ぬめりと味わいの違い

里芋の特徴といえば、あの「ぬめり」ですよね。加熱すると独特のトロッとしたぬめりが出て、煮物にしたときに味がよく絡みます。

一方でタロイモは、ぬめりがほとんどありません。その代わりに、ほくほくとした食感とほんのりした甘さが特徴です。

味わいとしては、サツマイモとジャガイモの中間のような印象を持つ方も多いです。

また、タロイモの中には紫色の色素(アントシアニン)が含まれている品種もあり、見た目にも華やかです。台湾スイーツなどで「紫色のタロイモペースト」がよく使われるのはそのためです。

⑤使われ方・料理の違い

里芋は、日本の家庭料理では欠かせない存在です。煮っころがし、味噌汁、豚汁などに使われ、ねっとりとした食感が和食の出汁によく合います。

タロイモは、海外ではスイーツや主食として使われます。蒸してペーストにしたり、タロイモチップスにしたり、ミルクや砂糖と合わせてデザートにするのが一般的です。

特に台湾では「芋圓(ユーユェン)」や「芋頭酥(ユートウスー)」など、タロイモを使ったスイーツが人気。日本でもタピオカブームの影響でタロイモミルクが注目を集めました。

つまり、タロイモと里芋の違いは「味わい」や「用途」の違いにあります。同じサトイモ科の仲間でも、文化によって食べられ方が変わっているんですね。

タロイモの定義と語源を知ろう

タロイモの定義と語源について詳しく解説します。

では、それぞれ見ていきましょう。

①タロイモとは何か

タロイモとは、サトイモ科の植物で、根茎を食用とする芋の総称です。つまり、「タロイモ」という名前は、特定の品種を指す言葉ではありません。

日本の里芋も分類上は「タロイモの一種」ということになります。

ただし、日本では一般的に「タロイモ」という言葉は、台湾や東南アジアなど海外で栽培された芋を指して使われています。

スーパーのスイーツコーナーなどで見かける「タロイモミルク」や「タロイモケーキ」は、主に台湾産の“芋頭(ユートウ)”を原料としています。

つまり、「タロイモ=外国で食べるサトイモ」、「里芋=日本の伝統的なサトイモ」というのが実際のイメージなんですね。

②「タロ」の語源

「タロイモ」という言葉の「タロ(Taro)」は、ポリネシア語で「イモ」を意味する言葉が語源です。

ハワイ、フィジー、サモアなどの地域では、古くからタロイモが主食として食べられてきました。

この「Taro」という言葉が英語圏でもそのまま使われるようになり、国際的に「サトイモ類全般」を指す呼称として定着しました。

たとえば英語で “Taro root” といえば、「サトイモの根茎」のことを指します。

日本語の「タロイモ」は、この英語表現 “Taro root” を日本人が直訳した形なんです。

③欧米と日本での呼び方の違い

欧米では「Taro」と言えば、日本でいうところの「里芋」全般を意味します。つまり、アメリカやヨーロッパで「Taro」と聞くと、日本の煮物に入っているような里芋をイメージするんです。

しかし、日本人にとって「タロイモ」は少し異なる存在です。日本では“海外から来た芋”という印象が強く、台湾やハワイなどのスイーツや料理に使われる食材として知られています。

この呼び方の違いが、「タロイモ=海外」「里芋=日本」という区別を生み出しているんですね。

④日本で「タロイモ」と呼ばれる理由

では、なぜ日本では海外産のサトイモを「タロイモ」と呼ぶようになったのでしょうか?

それは、海外のサトイモを紹介する際に、英語名の “Taro” がそのままカタカナ化されて広まったからです。

特に、1990年代以降に台湾スイーツが日本に紹介されたとき、「タロイモミルク」や「タロイモケーキ」といった商品名が定着しました。

つまり、植物分類上の「サトイモ」と文化的な「タロイモ」という言葉の間には、意味のずれがあるわけです。

学術的には同じサトイモ属の仲間でありながら、食文化の中では別の存在として扱われるようになった——。それが日本における「タロイモ」という言葉の立ち位置なんです。

タロイモの歴史と世界の生産地

タロイモの歴史と世界での生産地について紹介します。

それでは、タロイモがどのように広まり、今どこで作られているのかを見ていきましょう。

①起源は1万年以上前の東南アジア

タロイモの歴史はとても古く、その起源はなんと1万年以上前の東南アジアまでさかのぼります。

人類が狩猟採集から農耕生活へと移り変わる初期の時代、タロイモはすでに重要な食料源として栽培されていたと考えられています。

当時の東南アジアでは、湿地帯や川辺でタロイモがよく育ち、人々はこれを掘り出して食べていました。

稲作が広まるよりも前に、タロイモは「人類最古の栽培作物の一つ」として存在していたんです。

その後、南太平洋の島々やインド、アフリカへと広まり、地域ごとにさまざまな品種が生まれました。

たとえば、ハワイの「ポイ(Poi)」やフィジーの「ダロ(Dalo)」など、国によって呼び名や調理法も異なります。

②ナイジェリアが世界最大の生産国

現在、タロイモは世界中で広く栽培されていますが、その中でも最大の生産国はナイジェリアです。

国際連合食糧農業機関(FAO)の2019年のデータによると、世界全体のタロイモ生産量は約1,059万トンに達し、そのうちナイジェリアが約286万トンを占めています。

以下は、主な生産国のランキングです。

順位国名生産量(2019年)
1ナイジェリア約286万トン
2中国約195万トン
3カメルーン約191万トン
4ガーナ約152万トン
5パプアニューギニア約27万トン

アフリカでは、タロイモは主食の一つとして日常的に食べられています。蒸してつぶしたり、粉にしてパンの代わりにしたりと、地域ごとの食文化に深く根付いているんですね。

③アジア・太平洋地域での主食

一方、アジアや太平洋の島々でもタロイモは重要な作物です。ハワイ、フィジー、バヌアツ、ニューカレドニアなどでは、タロイモが主食として今も食べられています。

たとえばハワイの伝統料理「ポイ(Poi)」は、タロイモを蒸してすりつぶし、水を加えてペースト状にしたもの。これを日常的に食べる文化があり、ハワイでは“神聖な食べ物”とされています。

また台湾では、蒸したタロイモをペーストにしてスイーツの材料として使う文化が根付きました。「芋圓」や「タロイモミルク」などがその代表です。

このように、地域によって「主食」か「デザート」かという使われ方の違いがあるのが、タロイモの面白いところです。

④現代でも重要なエネルギー源

タロイモは、今でも多くの発展途上国にとって貴重なエネルギー源です。栽培しやすく、湿地帯でも育つため、気候変動に強い作物としても注目されています。

栄養面でも、タロイモは炭水化物が豊富で、消化がよく、カリウムやビタミンも含まれています。お米やトウモロコシが育ちにくい地域では、タロイモが食生活を支えているんです。

つまり、タロイモは過去だけでなく、未来の食料問題を支える“サステナブルな作物”でもあるということですね。

タロイモと里芋の栄養比較

タロイモと里芋の栄養比較について詳しく見ていきましょう。

同じサトイモ科の仲間でも、栄養面には意外と大きな違いがあるんですよ。

①タロイモの栄養価

アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータによると、生のタロイモ100gあたりの栄養価は以下の通りです。

栄養素含有量(100gあたり)
エネルギー112 kcal
たんぱく質1.5 g
脂質0.2 g
炭水化物26.46 g
食物繊維4.1 g
ビタミンE2.38 mg
ビタミンB60.283 mg
葉酸22 µg
ビタミンC4.5 mg
カリウム591 mg
カルシウム43 mg
マグネシウム33 mg
リン84 mg
マンガン0.33 mg

タロイモは炭水化物を多く含み、エネルギー源として優れています。また、食物繊維も豊富で、腸内環境を整える効果が期待できます。

カリウムも多く含まれているため、塩分の摂りすぎを調整し、むくみの予防にも役立ちます。

②里芋との主な違い

次に、里芋との違いを比べてみましょう。以下の表は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)による里芋の栄養価をもとにしています。

栄養素(100gあたり)タロイモ里芋
エネルギー112 kcal58 kcal
たんぱく質1.5 g1.5 g
炭水化物26.4 g13.1 g
食物繊維4.1 g2.3 g
カリウム591 mg640 mg
カルシウム43 mg17 mg
ビタミンC4.5 mg6 mg

こうして比べてみると、タロイモの方がエネルギー量と炭水化物が多く、より“お腹にたまる”タイプの食材であることがわかります。

一方、里芋は水分が多く、ぬめり成分(ムチン)が含まれているため、消化に優しく低カロリー。ヘルシー志向の方には里芋の方が向いていると言えるでしょう。

③健康面での特徴

タロイモと里芋は、どちらも健康に良い食材です。ただし、それぞれに得意分野があります。

  • タロイモ:高炭水化物・高繊維。エネルギー補給や腸活に◎
  • 里芋:低カロリーでぬめり成分が胃腸を保護。血糖値の上昇をゆるやかにする効果も。

また、タロイモはビタミンEを多く含む点が特徴です。抗酸化作用があるため、老化防止や血行促進にも役立ちます。

一方、里芋に含まれる「ガラクタン」「ムチン」などの粘り成分は、免疫力を高め、胃の粘膜を守る働きがあります。

④ダイエット・美容効果の違い

ダイエットの観点から見ると、カロリーの低い里芋の方が向いています。満腹感がありつつ、低エネルギーで消化も良いので、置き換え食材としてもおすすめです。

一方、タロイモはエネルギー量が高めですが、ビタミンE・カリウム・食物繊維が豊富なので、美容面ではかなり優秀です。

むくみを改善し、血流を促進することで、肌ツヤを整える効果も期待できます。

簡単にまとめると、「健康管理や美容にはタロイモ」「ダイエットには里芋」といった使い分けができると言えますね。

日本で人気のタロイモスイーツ3選

日本で人気のタロイモスイーツ3選を紹介します。

どれも日本でも人気急上昇中のスイーツばかりですよ。

①芋頭酥(タロイモケーキ)

「芋頭酥(ユートウスー)」は、台湾の伝統的な焼き菓子の一つで、タロイモの餡をサクサクの生地で包んで焼き上げたスイーツです。日本では「タロイモケーキ」として知られています。

外側は何層にも重なったパイ生地のような食感で、中には濃厚なタロイモ餡がぎっしり。ほんのり甘くて香ばしい香りが特徴です。

見た目も丸くてかわいらしく、お土産や贈り物にも人気があります。

台湾では、タロイモ餡の中に卵黄や豆のペーストを入れた高級バージョンもあり、食感や風味の違いを楽しむことができます。

日本では中華街や台湾カフェなどで販売されており、最近ではコンビニスイーツとして登場することもあるほど人気なんです。

②芋圓(タロイモ団子)

「芋圓(ユーユェン)」は、タロイモを蒸してつぶし、片栗粉などを混ぜて作るもちもち食感の団子です。台湾スイーツの代表格で、観光地「九份(きゅうふん)」の名物としても有名です。

そのもちもちとした食感はタピオカにも似ていますが、より自然な芋の風味が感じられます。タロイモだけでなく、サツマイモやカボチャを使ったカラフルな団子もあり、見た目にも華やかです。

食べ方はシンプルで、温かいシロップや冷たいミルクに浮かべて食べます。冬は温かく、夏はひんやりと、季節を問わず楽しめるのが魅力です。

日本でも台湾スイーツ専門店やカフェで人気があり、「タロイモスイーツといえば芋圓!」というほど定番になりつつあります。

③芋頭牛奶(タロイモミルク)

「芋頭牛奶(ユートウニョウナイ)」は、タロイモを使ったミルクドリンクです。日本では「タロイモミルク」や「タロミルク」と呼ばれることもあります。

蒸したタロイモをペーストにしてミルクと混ぜたもので、ほんのり甘くてやさしい味わいが特徴。色は淡い紫色で、とてもフォトジェニックです。

店舗によっては、タロイモの食感を残したタイプや、なめらかに仕上げたタイプなど、バリエーションがあります。タピオカを加えた「タロイモタピオカミルク」も人気の一つです。

カフェやコンビニでも販売されるようになり、若い世代を中心に定番のスイーツドリンクになっています。ほっこりした甘さと香りは、まさに癒しの一杯ですよ。

まとめ|タロイモと里芋の違いを簡単に整理

比較項目里芋タロイモ
分類サトイモ科コロカシア属サトイモ科コロカシア属(総称)
主な産地日本国内(主に東北・関東)東南アジア、台湾、アフリカなど
大きさ拳より小さい手のひら以上で大きめ
ぬめり強い(ムチンあり)少ない
味わいねっとり、旨味が濃いあっさり、やや甘い
主な用途煮物・汁物・和食スイーツ・チップス・ペースト

タロイモと里芋は、どちらもサトイモ科の仲間でありながら、文化や地域によって全く違う使われ方をしています。

日本では「里芋=和食の素材」、「タロイモ=台湾スイーツの素材」として認識されていますが、植物学的にはどちらも“同じルーツ”を持つ兄弟のような存在です。

タロイモはあっさりとして食物繊維が豊富で、スイーツやドリンクにピッタリ。里芋はねっとりとして出汁との相性が良く、和食に欠かせない存在です。

どちらも健康に良く、食文化を豊かにしてくれる食材。用途や気分に合わせて上手に使い分けると、料理の幅がぐっと広がりますよ。