寒い季節を乗り越え、春まで大根を新鮮に保つ伝統的な方法として、土に埋めて保存する手法があります。
自家で大量に収穫したり、多くの大根を入手した際に役立つこの方法は、適切な手順を踏まないと難しいかもしれませんが、長期保存が可能となります。
ここでは、農家によって行われている土中保存法の詳細な手順を、保存期間や注意点とともに解説します。
土に埋めて保存する大根の手順
農家による大根の長期保存方法には、以下のような手順があります。
- 収穫後の大根は土が付いたままで通気性の良い容器に保管します。
- 大根を縦に立てて半分ほど土や砂に埋め、根の部分を上にして保存する方法
- 畑内で大根の周りに土を積み上げ、首の部分まで覆うことも効果的な保存法の一つです
今回は大根の葉を落として土に埋めるやり方の説明となります。
- 1大根の収穫
大きく育って大根を抜き取る
- 2葉っぱを切り落とす
自家栽培した大根や他人から譲り受けた大根は、霜が降る前に収穫し、葉をできるだけ切り取ります。地域の気温に応じて、寒さを感じたら準備を始めましょう。
市場で購入した大根も同様に、葉を切り落として保存の準備を行います。
- 3穴を掘る
保存用の穴を畑に掘ります。暖地では比較的浅くても良いですが、寒冷地では50cmから70cmの深さが適切です。
大根が隠れる位の深さがいいかな~と思っています。
最近の不安定な気候を考えると、深めに穴を掘ることをお勧めします。
浅いと霜害のリスクが高まり、大根が損傷する可能性がありますので、冬をしっかりと越えられるように深さを確保することが大切です。
- 4穴に並べる
掘った穴に大根を一本ずつ丁寧に縦に並べていきます。大根が直接触れ合わないように、適度に間隔を空けて配置します。
収穫したときのように立てて保存すると、新鮮さがより長持ちしますが、難しい場合は斜めに寝かせても構いません。
- 5土を戻して覆う
全ての大根が穴に収まったら、その上から土をかぶせていきます。大根が外から見えないようにしっかりと土をかけることが重要です。
- 6保存場所を保護する
大根が埋められた箇所が分かるように、また霜から保護し、土の水分を保つために、わらやむしろを上から覆うと良いでしょう。
土中での大根の保存期間
霜が降る前に収穫し、土中に保管することで、春まで数ヶ月から半年程度保存が可能です。
秋冬に収穫される大根は、同様の方法で保存すれば、最低でも4ヶ月は持続します。
土中保存の際の注意点
秋冬に収穫される大根は土中での長期保存に向いていますが、春に出回る大根は適さないので注意が必要です。
春大根は冷蔵または冷凍での保存をおすすめします。また、大根は本来土中で縦に成長するため、保存もできるだけ縦向きが理想です。
縦に保存が難しい場合は斜めに寝かせる方法もありますが、大根同士が触れないように約10cmの隙間を空けることが腐敗を防ぐポイントです。
防寒対策として藁(わら)があれば土をかけた後に上にワラを敷くのも保温となりオススメです。
土中で保存された大根の味はどうなるのか?
土中で保存された大根がどれほど味を保つかは重要なポイントです。
土の中で春まで保管された大根は、多くの場合、収穫時と同様に新鮮でジューシーな味わいが保たれます。
ただし、保存中に穴が浅すぎて霜がついたり、土の温度が高すぎると腐敗が進むため、これらの状況を避けることが重要です。大根は寒さには強い冬野菜ですが、霜や高温には敏感です。
適切に保存された大根は、収穫したてのシャキシャキした食感が楽しめ、非常においしいです。
大根の葉っぱの美味しい食べ方
ふりかけ、おひたし、漬物、味噌汁、煮物とかレシピはいっぱいありますが、我が家では大根のじゃこ炒めにしています。
材料
- 大根葉:大根1本分
- ごま油:大さじ1
- じゃこorしらす:お好みで
- ほんだし:小さじ1(無くてもOK)
- 醤油:おおさじ1
作り方
- 大根葉をそのまま刻む
- 熱したフライパンにごま油を入れる
- 大根の葉を炒めてじゃこを入れる
- 醤油で味をつける
収穫した大根の葉っぱは全部は食べれませんので残りは畑の隅に積んで堆肥にしています。
まとめ
この記事では、家庭菜園の私が実践している大根の土中保存法について紹介しました。
家庭菜園や他からたくさんの大根をもらった際に、新鮮な状態を長期間保つ方法として非常に役立ちます。この保存方法は主に晩秋から冬にかけて収穫された大根に適しています。
伝統的に雪国では雪を利用した保存法がありますが、土中保存も似た効果を提供します。冬に収穫される大根は春や夏に出回るものより甘く、水分を豊富に含んでいます。
必要な分だけを土から掘り出して、新鮮な状態で食べられるのは贅沢な体験です。この方法は、料理へのモチベーションをも高めてくれます。
土中での保存は、収穫時の鮮度と風味を保ちながら、長く楽しむことができるため、ぜひ試してみてください。
重ねて並べてすし詰めの状態ですが、毎年これでOKでした。